CBDのSIESTA|BASE店

2020/01/19 03:01


「健康のため」NYで大流行の新成分、CBDとは?

「CBD」。みなさま、一度は耳にしたことがあるでしょうか?

ドンキホーテで電子タバコとして売られていたり、東京では専門のカフェもできたようですね。この成分は実は大麻からとられていて、アメリカでの産業用大麻合法化に伴い、アメリカやロンドンで爆発的な大ブームになっているんです。


…ただ、正直言ってCBDに期待する効果としてめちゃくちゃなことになっているのも事実。

上の二つの記事に出ているだけでも、リラックス、不眠解消、慢性痛の緩和、鬱の防止、生理痛の緩和、化粧品、さらにはペット用まで…?

ここまでとっ散らかってると、ブームに乗りたい業者の姿が透けて見えるような気がしてきます。実際のところどうなのでしょうか?

このnoteでは、アメリカの「国立生物工学情報センター(NCBI)」が公開している、CBDに関するメタ分析論文(論文をレビューした論文で信頼性が高い)をもとに、「CBDが多様な効果を持つとされるメカニズム」「効能の限界」「効果的な摂取方法」について解説していきます。

Clinical and Preclinical Evidence forFunctional Interactions of Cannabidiol andΔ9-Tetrahydrocannabinol(2018)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5719112/#bib35

CBDと"エンドカンナビノイドシステム"

CBDの作用を考える中で一番重要なのがこの「エンドカンナビノイドシステム」。聴き慣れない単語ですがれっきとした生物学用語で、「内因性の(体内で生成される)」「大麻成分に類似した物質の」「システム」という意味になります。

(参考)エンドカンナビノイドー「脳科学辞典」
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89

ここでのポイントは4つあって

・私たちは、もともと体内でCBDなどに近い働きをする「脳内マリファナ類似物質」を自ら生成している。

・私たちが生成するエンドカンナビノイドは主に「アナンダミド」と「2-アラキドノイルグリセロール」の2種類で、鍵の役割をはたす。

・鍵の役割を果たす上記2種類に対して、鍵穴の役割を果たす「CB1」「CB2」というタンパク質を生まれつき持っている。

・鍵が鍵穴に刺さると、以下に示すような作用を示す▼

エンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる

この鍵と鍵穴の関係を持つ4つの物質がなすシステムが「エンドカンナビノイドシステム」となります。

そして、ここに対して「合鍵」の働きをするのが、CBDをはじめとする「体の外からやってくる」カンナビノイドたち。CBDは主にこのシステムを介して効果を発揮することは、NCBI掲載の論文にも明記してあります。

具体的には、

・神経細胞の膜上にあるCB1に対して結合し、神経伝達のバランスをとる仕事を合鍵として果たしたり

・本来の鍵であるアナンダミドが「再取り込み」によって減少するのを防いで濃度を増加させたり

といった、主に本来のシステムを補助する形で作用しているようです。他にも、セロトニンと似た振る舞いをして抗不安作用、オピオイドと近い振る舞いをして鎮痛作用を示すというエビデンスもあります。

しかし、「CBDは複雑な薬理動態を示すことがわかっており、その作用メカニズムについて確固たる結論を引き出すのは時期尚早である」とも明記されています。

そもそも鍵穴となるCB1やCB2が神経細胞のつなぎ目に非常に多く存在していて、神経の非常に複雑なシステムに作用するため、これは全くもってその通りです。個々の限定された場面での作用はわかっても、システム全体に及ぼす影響については明らかになっていないということです。

いくら体に良いという話が出回っていても、絶対に過剰な摂取はしないようにしてください。


実験で確かめられている効果

さて、少し物騒なお話の後で恐縮ですが、実験的に確かめられているCBDの効果というのもたくさんあります。これらについて、先ほどのお話を踏まえながら、容量と確かめられた効果について併記しながらお話ししていきます。

不安を取り除く

CBDの抗不安作用についての実験を2つ紹介します。

まず一つ目は、2009年と2010年の2回行われ、詳しい作用まで調べられている「CBD600mgを投与した上で、不安を感じさせるような恐ろしい顔の画像を見せた時の脳の様子をMRIで探る」というもの。この実験ではランダム化・二重盲検化といった厳密な形でのプラセボとの比較を行いましたが、明らかにCBDには不安を取り除く効果が見られました。

興味深いことにCBDを摂取した人では、脳の比較的原始的な部位である扁桃体(主に感情を司る)と、比較的高次の部位である大脳皮質(記憶や思考などを司る)の付近で血液が酸素と結びついていない割合が高く、原始的な扁桃体と大脳皮質の接続を抑制したのではないかと考察されています。

二つ目は、「CBD300mgを摂取した上で模擬講演テストをおこなう」というもの。これは先ほどのメタ分析論文には引用されていませんが、興味深いためここに引用します。

Effects of ipsapirone and cannabidiol on human experimental anxiety
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/026988119300700112?journalCode=jopa

プラセボに加えて、抗不安薬としてすでに使用されているイプサピロン同量との比較もなされました。

この結果、模擬講演前にCBDを摂取した被験者ではイプサピロンと同等に不安を感じにくくなっていました。

ここから、CBDは抗不安作用を示し、イプサピロンよりも忍容性が高い(副作用が生じにくい)ため、より有望な物質なのではないかという提言がなされています。

他の効果は、ヒトでの明瞭な結果の報告はあまりない

CBDが私たちヒトにもたらす恩恵について示唆されていることは、他にも

・鎮痛
・認知機能の向上
・統合失調症の改善
…etc

と非常に多岐に渡ります。しかし、これらはまだヒト以外の動物実験で確かめられているレベルであったり、THCという別の有害物質の作用を抑えるという意味での効果であったりと、決して私たちが単体で摂取して効果があると言い切れるものではありません。

しかし、実際に摂取してる人が好意的な感想を報告しているのも事実です。これらをあくまで感想として受け止めながらもうまく付き合う必要がありそうです。


どうやって摂取すればいいの?

実は、上であげた不安を取り除く効果を含め、現在報告されているCBDの効果はほぼ全て「経口摂取」、すなわち錠剤などを口から食べる形や、舌の下にためて舐める形での摂取となっています。つまり、効果が確かめられているのはほぼこの形での摂取ということになります。

しかし、現在多くの人が実践しているのはVAPEなどによる吸引での摂取。ここに大きな乖離があります。

このことは科学者たちも課題と認識しており、NCBIの論文でもこれらの電子タバコの技術を使った実験は将来非常に有望である、として締め括られています。


まとめ

エンドカンナビノイドシステムと作用して、「おそらく多様な効果を発揮するだろう」と信じられ、期待されながらも、複雑なシステムゆえその全貌が未だ解き明かされていない物質、CBD。

とはいえ、ここまで論文を見ていく中で少なくとも、他の根拠に欠ける健康食品などよりは、余程効果が信じられるものと言えるのではないでしょうか。

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